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17文字に思いをのせて

2月16日(金)

 墨の香を ひとつ吸い込み 筆をとる

 ほっかぶり 丸い背中が 春を待つ


職場の先輩に「お~いお茶」の俳句コンクールに一緒に応募してみないか、と誘われて初めての俳句。とにかく、見たまま、感じたままをそのまま言葉に、と作ってみたのだが、なかなか難しい。切り取った景色や感情を、17文字で表現することの難しさ。たった17文字にどれだけの景色と感情をつめ込めるか。
たくさんの言葉を並べて文章にするのは、思えばそれほど難しくない。丁寧に丁寧にひとつひとつ言葉にすればいいのだから。

 ねずみ色の空から細かい雪が降ってくる。風が地面の雪をまきあげて、電信柱も家々も、すべてを白く染めている。追いやられた雪で狭くなった歩道を歩く、腰の曲がった老婆。いかにも重そうなコートを羽織り、頭にはほっかぶり。厳しい北国の冬を何十年も生き抜いて、今年も静かに春を待ちわびている。

ってな感じで、文章でなら幾らでも出来るのだが・・・
なかなか思うように出来ないと嘆きながら、作った2つの句を先輩に見てもらう。
ふんふん、と読んで少しアドバイスをもらう。

 墨の香を 大きく吸い込み 筆をとる
 春を待つ 丸い背中と ほっかぶり


おぉ~、同じ言葉なのに全然違う。言葉の響き方が全然違う。ただただ呆然。

17文字に思いをのせる。 深い・・・
by capricious1977 | 2007-02-16 22:20 | 日記